2010年11月17日水曜日

風の中から呼びとめたは狂人だつた

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―日々余話― 無事終了、なれど‥

日曜日-15日-、場所は弁天町の大阪ベイタワーホテル、71名の同期生と二人の恩師が集った三年ぶりの同窓会は、冒頭の受付段階からまったく意想外のトンデモ事件を惹起しながらも、まずまず賑やかに愉しく、成功裡に終わったといえるだろう。
それもこれも、ゲスト出演してもらった現役高校生たち吹奏楽部の、総勢68名による演奏会あってのことであった。
73名の老年男女の群れに、ほぼ同数の68名、孫のような若い演奏団が、対峙するという特異な場面の現出だけで、参加者ひとり一人の胸にどんな感懐が去来するものか、そんなことは少しばかり想像しただけで見当がつきそうなものだが、いかんせん幹事諸氏のなかにはこれを予期できない者たちが大半であったのは、ちょっぴりカナシイ。

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―表象の森― ハングルとはどういう言語か

ハングルの祖型「訓民正音」成立の詳細な背景などから説きだす野間秀樹著「ハングルの誕生」-平凡社新書-は、歴史的にも言語論的にも非常におもしろく興味つきない書である。
このほど本書は、毎日新聞社と社団法人アジア調査会が主宰するアジア・太平洋賞-第22回-の大賞を受賞したという。

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以下はその選考委員でもある田中明彦氏による毎日新聞掲載評-11/14-からの引用-
著者は20世紀言語学のさまざまな概念を紹介しつつ、ハングルが、音素、音節、形態素の三層を一つの文字のなかに透明な形で併存させる極めて精巧な文字であることを、読者の知的好奇心を満たすように次から次へと論証する。
音素も音節も形態素も、いうまでもなく現代言語学の概念であって、ハングルの創造者たちは、この現代的概念を15世紀にすでに自家薬籠中のものとしていたのであった。
もちろん、いかに優れた文字も発明されただけで真の文字になるのではない。使われなければ、文字として「誕生」しないのである。本書後半は、漢字漢文原理主義の強固であった韓国で、どのようにしてハングルが国民の文字としての地位を獲得していったかの経緯の叙述であり、この部分もまた読み応えがある。
ハングルの誕生は、東アジア文化の歴史の中での一大事件であった。ハングルの誕生を語りつつ、本書は、日本語も含め東アジアにおけるきわめて興味深い言語史ともなっている。本書によって得られる東アジア文化理解は大きい。-略-

―山頭火の一句― 行乞記再び -115
4月25日、行程7里、直方市郊外、藤田屋

どうしても行乞気分になれないので、歩いて、ただ歩いてここまで来た、遠賀川風景はよかつた、身心がくつろいだ。
風が強かつた、はじめて春蝉を聞いた、銀杏若葉が美しい、小倉警察署の建物はよろしい。
此宿はほんたうによい、すべての点に於て-最初、私を断つたほどそれほど客を選択する-。

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Photo/遠賀川の風景-1

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Photo/遠賀川の風景-2


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