2011年1月14日金曜日

波音のお念仏がきこえる

Dc09092693

―四方のたより―

<日暦詩句>-4
野良犬・野良猫・古下駄どもの
入れかはり立ちかはる
夜の底
まひるの空から舞ひ降りて
襤褸は寝てゐる
夜の底
見れば見るほどひろがるやう ひらたくなつて地球を抱いてゐる
   ―山之口漠「襤褸は寝てゐる」より-昭和15年―

―山頭火の一句― 行乞記再び -137
5月23日、晴、行程6里、小串町、むし湯

久しぶりの快晴、身心も軽快、どしどし歩く、久玉、二見、湯玉といふところを行乞、小串まで来て宿を探しあてたが、明日は市が立つので満員で断られる、教へられて、この蒸湯へ来た、事情を話して、やつと泊めて貰ふ、泊つて見れば却つて面白い、生れて初めて蒸湯といふものへはいる、とても我慢が出来なかつた。-略- 

旅寝の目覚の窓をあけたら、青葉若葉に朝月があつた。
このあたりの海岸は日本的風景。

蚤と蚊と煩悩に責められて、ちつとも睡れなかつた、千鳥が啼くのを聞いたが句にはならなかつた。‥
先日からいつも同宿するお遍路さん-同行といふべきだらうか-、逢ふたびに、口をひらけば、いくら貰つた、どこでご馳走になつた、何を食べた、いくら残つた、等々ばかりだ、あゝあゝお修行はしたくないものだ、いつとなくみんな乞食根性になってしいまふ!

※表題句の外、2句を記す

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Photo/長門二見あたりの海辺

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Photo/湯玉近くにある福徳稲荷の壮観


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