2011年1月25日火曜日

ほうたるこいほうたるこいふるさとにきた

Santouka081130067

―四方のたより―

「SOULFUL DAYS」の印刷製本がやっとUP。
すぐさま引取りに走り、夕刻から半日、読み返していた。
昔からよく知った印刷屋のこととて、ずいぶんと安くしてくれている。
いや、ほんとうのところ、
印刷に出す段まですっかり失念していたのだが、
RYOUKOが二十歳頃だったか、おそらく半年くらいの期間だったろうが、
この会社にアルバイトとして勤めていた、という縁もあったのだ。
社長が高校の一期下という親しさもあって、私から頼んでの就職だった。
Yという顔馴染みの古い社員が、RYOUKOのことをよく覚えてくれていた。
おそらくそんな事情もあって、格安に、と便宜を計ってくれたのだろう。

<日暦詩句>-12
どこから世界を覗こうと
見るとはかすかに愛することであり
病患とは美しい肉体のより肉体的な劇であり
絶望とは生活のしっぽであってあたまではない
きみの絶望が希望と手をつないで戻ってくることを
きみの記憶と地球の円周を決定的にえらぶことを
夜の眠りのまえにきみはまだ知らない
   ―清岡卓行「氷った焔」より-昭和34年―

―山頭火の一句― 行乞記再び -144
6月1日、川棚、中村屋
曇、だんだん晴れて一きれの雲もない青空となつた、照りすぎる、あんまり明るいとさへ感じた、7時出立、黒井行乞、3里歩いて川棚温泉へ戻り着いたのは2時頃だつたらうか、木下旅館へ行つたら、息子さんの婚礼で混雑してゐるので、此宿に泊る、屋号は中村屋-先日、行乞の時に覚えた-安宿であることに間違はないが、私には良すぎるとさへ思ふ。

すべてが夏だ、山の青葉の吐息を見よ、巡査さんも白服になつた、昨日は不如帰を聴き今日は早松茸を見た、百合の花が強い香を放ちながら売られてゐる。
笠の蜘蛛! ああお前も旅をつづけてゐるのか!
新しい日、新しい心、新しい生活、――更始一新して堅固な行持、清浄な信念を欣求する。
樹明君からの通信は私をして涙ぐましめた、何といふ温情だらう、合掌。
此宿はよい、ていねいでしんせつだ、温泉宿は、殊に安宿はかういふ風でなければならない、ありがたいありがたい。

※表題句のみ記す

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Photo/昨年10月、全国山頭火フオーラムが川棚温泉で開催されている

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Photo/その主会場となったモダンな川棚の杜こと川棚温泉交流センターは建築家隈研吾の設計


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