2012年1月10日火曜日

ランプともせばわたしひとりの影が大きく

01100

―日々余話― 2011逝き去りし人々

警察庁調べによれば6日現在、死者15,844名・行方不明3,450名という東日本大震災の犠牲者―
この国の歴史に否応なく大きな刻印を残すことになる「3.11」の年が暮れ、新しい年が明け早くも10日。
偏狭で渺々たる個の想像力から、この凄絶で圧倒的な質量の凶事についてなにがしか語りうる、とは到底思えず、ただひたすら頭を垂れ黙するしかないのだが、それとは別次に日々メデイアから届けられた訃報の数々、2011年の逝き去りし人々を遅まきながらこうして列挙し一瞥しておくことは、まったく私的意味あいからここ数年続けてきたことなれば‥‥。

1月-03.邦画で活躍していた坂東鶴之助時代が憶い出される5世中村富十郎-81歳/05.ロカビリーで名を馳せた山下敬二郎-71歳/11.真言密教学者の宮坂宥勝-89歳/14.マルチに活躍したTVDr・Pd和田勉-80歳/文学座出身の俳優・細川俊之-70歳/21.大阪府知事だった岸昌-88歳/23.いとこい兄弟コンビで絶妙の突っ込み芸だった喜味こいし-83歳/26.戦前からの映画女優花柳小菊-89歳

2月-05.岐阜ではぐるま座を率いた劇作家こばやしひろし-83歳/獄中で病死の元連合赤軍死刑囚永田洋子-65歳/17.劇作とシナリオ作家の小幡欣治-83歳/28.通算打率.311、ハワイ出身だが読売巨人で活躍した与那嶺要-85歳

3月-03.美術評論の中原佑介-79歳/08.文芸評論の矢沢永一-81歳/10.コント55号の坂上二郎-76歳/15.射程のひろい美術評論をものした瀬木慎一-80歳/23.リズことエリザベス・テイラー-79歳/25.分子生物学者柴谷篤弘-90歳/30.講談社の野間佐和子-67歳/31.新日本文学会からの作家・評論家いいだもも-85歳

4月-7.詩と童話の岸田衿子-82歳/13.美術写真建築と多岐にわたる評論をものした多木浩二-82歳/21.スーちゃんこと田中好子-55歳/23.在日詩人宗秋月-66歳/28.冤罪事件「真昼の暗黒」こと八海事件被告だった阿藤周平-84歳

5月-2.イスラム過激派指導者ウサマ・ビン・ラディン-54歳/6.SM耽美派作家団鬼六-79歳/9.舞踊家邦千谷-100歳/16.TVクイズ司会の俳優児玉清-77歳/21.映画一家の俳優長門裕之-/30.詩人の清水昶-70歳

6月-04.連合会長だった笹森清-70歳14.M.ポンティ共訳の哲学者滝浦静雄-84歳

7月-10.国際的バレエ振付者のローラン・プティ-87歳/12.TV司会で活躍した宮尾すすむ-77歳/19.俳優座出身の個性俳優原田芳雄-71歳/26.「日本沈没」の作家小松左京-70歳

8月-04.現役のサッカー選手松田直樹-34歳/05.大橋巨泉とともに一世を風靡した前田武彦-82歳/10.一発屋ヒットの日吉ミミ-64歳/14.歌人の河野裕子-64歳/15.読売グループ社主正力亨-92歳/16.戦前からの歌手二葉あき子-96歳/20.大蔵流狂言の4世茂山忠三郎-83歳/21.長年鬱病に苦しんだ俳優の竹脇無我-67歳/31.日本近代史の学者遠山茂樹-97歳

9月-20.演劇評論家菅井幸雄-84歳/21.俳優の杉浦直樹-79歳/23.テノールの代表的声楽家五十嵐喜芳-83歳/モダンダンスのアキコ・カンダ-75歳/24.日活青春映画の山内賢-67歳

10月-03.具体作家の元永定正-88歳/05.アップル創始者スティーブ・ジョブズ-56歳/10.歌舞伎の7世中村芝翫-83歳/12.「上海バンスキング」の劇作家斉藤憐-70歳/15.関西で活躍した作曲家奥村英夫-75歳/24.「どくとるマンボー」の作家北杜夫-84歳

11月-01.シナリオ作家石堂淑郎-79歳/05.参議院議長現職だった西岡武夫-75歳/07.暴行疑惑の騒動のなか急死した鳴門親方(元隆ノ里)-59歳/21.稀代の革新的落語家立川談志-75歳/25.プロ野球の名宰相西本幸雄-91歳

12月-05.次期衆院選再出馬を決めていた公明党の冬柴鐵三-75歳/08歌曲・オペラ・交響曲など多彩な作曲活動の三木稔-81歳/09.「千恵っ子よされ」の岸千恵子-69歳/10.阪神大震災時の神戸市長だった笹山幸俊-87歳/シナリオ作家の市川森一-70歳/17.北朝鮮の金正日-70歳/20.映画監督の森田芳光-61歳/24.ガン宣告から手術・延命治療を拒否して逝ったTV俳優入川保則-72歳/25.これまた戦後の一時期、邦画に進出していた歌舞伎の10世岩井半四郎-84歳/プロゴルファーとして草分け的存在の杉原輝雄-74歳


―山頭火の一句―
其中日記-昭和9年-258

2月6日
くもり、何か落ちてきさうだ。
うれしいたよりがあつた。
やうやく句集壱部代入手、さつそく米を買ふ、一杯ひつかける、煙草を買ふ。
‥‥四日ぶりに御飯を炊く、四日ぶりにぬく飯を食べる。あたたかい飯のうまさが今更のやうに身にしみる。
酒もやつぱりうまい、足りないだけそれだけうまい。
山を歩く、あてもなく歩くのがほんたうに歩くのだ。
枯れ木も拾ふたが句も拾ふた。
味ふ、楽しむ、遊ぶ―それが人生といふものだらう、それ自体のために、それ自体になる―それがあそびである、遊行といふ言葉の意義はなかなかに深遠である。
仏法のために仏法を修行する、仏法をも忘れて修行するのである。

※表題句の外、6句を記す

01100_2

Photo/其中庵の庭にある句碑「いつしか明けてゐる茶の花」-2011.04.30撮影


人気ブログランキングへ -読まれたあとは、1click-

0 件のコメント:

コメントを投稿