2010年9月9日木曜日

松風に鉄鉢をさゝげてゐる

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―日々余話― よしなしごと

九州西北部をかすめるように日本海に到つた台風9号は北陸路に上陸して関東をぬけるというまことに変則なコースを描いて熱帯低気圧に変わつた、と。おかげで昨日今日と、酷暑も和らいでしのぎやすい。河川の氾濫や浸水など、被災報道のかたわら、漁港や農家などには恵みの雨ともなるといった報道もあり、自然の猛威のプラスマイナスは一概には測りがたい。石川県では30℃以上の真夏日の連続記録を更新していた小松が、最高気温25.9℃で前日までの54日間でストップ。金沢も26.1℃にとどまったそうだ。

2.3日前だったか、連合い殿が、神尾真由子の「Paganini-24 Capricci」を自分のポータブルオーディオにダビングしてくれ、という。長引く酷暑のなかで心身ともにボロボロ状態でなお仕事に出かけているが、これを聴いては気分一新、ヤル気を引つ張り出すのだ、と曰う。
私も、いま、その24 Capricciを聴きながらこれを書いているのだが、そりゃ変幻自在おもしろくも見事な演奏だが文字通り奇想の曲とも呼ばれる些か狂気じみた世界である。これを聴いてリフレッシュとは、どう考えてもやはり彼女、めずらしい神経の持ち主、変わった御仁というしかないようである。

―山頭火の一句― 行乞記再び -101
4月11日、晴后曇、行程6里、深江、久保屋

歩いてゐる、領巾振山、虹ノ松原、松浦潟の風光は私にも写せさうである、それだけ松原逍遙、よかつた、道は八方さわりなし。
今夜はずゐぶん飲んだ-緑平兄の供養で-、しかし寝られないので、いろいろの事を考へる-其中庵のこと、三八九の事。
酒は嗜好品である、それが必需品となつては助からない、酒が生活内容の主となつては呪はれてあれ。
木の芽はほんたうに美しい、花よりも美しい、此宿の周囲は桑畑、美しい芽が出てゐる、無花果の芽も美しい。

※表題句の外、7句を記す

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Photo/領巾振山-鏡山から-虹ノ松原を望む

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Photo/唐津城の天守から眺望した虹ノ松原


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