2011年2月19日土曜日

柿の葉柿の実そよがうともしない

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―四方のたより― 就活地獄と‥

毎日の夕刊三面記事「就活漂流」を読んで、新卒大学生の就活事情もここまできたかと思わず絶句、暗澹とした気分に襲われた。
今夜の記事の事例は法政大経済学部4年の男子学生、就活の始まりから数えて536日間の苦闘の果て、都内のIT関連の中小企業にやっと内定を手にしたという。この間、挑んだ会社はエントリーだけに終ったものも含めれば269社にのぼり、些か上がり性の気質とて、その対策に説明会や面接内容などをこまめに書きとめてきた記録がなんとノート15冊に及んだというのだから、まさに凄まじいの一語に尽きる。

ことのついでにネットで、男女年齢別の非正規雇用者比率の、1990年から2010年までの推移を具に見てみたが、これまた愕然とする上昇曲線を描いている。とりわけ15歳~24歳の若年層においては、ほぼこの10年、男性で4割強、女性では5割強の高止まりで推移している、といった深刻さである。
これら若年の非正規雇用者たちが、この先の10年で、はたしていったいどれほど正規雇用へと転身できるのだろうか‥。

<日暦詩句>-20
死んだ兵士を生きかえらせることは
金の縁とりをした本の中で
神の復活に出会うことよりもたやすい
多くの兵士は
いくたびか死に
幾たびか生きかえってきた

(聖なる言葉や
永遠に受けとることのない
不思議な報酬があるかぎりは――)
  ―鮎川信夫詩集「神の兵士」より-昭和43年

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-152
6月9日、同前。

晴、といつても梅雨空、暗雲が去来する。
今日は寺惣代会が開かれる日だ、そして私に寺領の畠を貸すか貸さないかが課せられる日だ。

-略- 年をとると、身体のあちこちがいけなくなる、私は此頃、それを味はひつつある。
川棚温泉には犬が多い、多すぎる。
野を歩いてゐたら、青蘆のそよいでゐるのに心ひかれた、こんなにいいものがあるのに、何故、旅館とか料理屋とかは下らない生花に気を採られてゐるのだらう、もつたいない、明早朝さつそく私はそれを活けやう。

※表題句のみ記す

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Photo/山頭火句碑「花いばら、ここの土とならうよ」―川棚温泉近くの高砂墓地の中にある


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