2011年5月27日金曜日

炎天の影ひいてさすらふ

Santouka081130075

―四方のたより― 炭鉱の記録画「世界の記憶」へ

「世界記憶遺産」というのもあったんだ。不明にして知りませんでした。
昨日の新聞紙面に載った、狭い坑道で働く半裸姿の男女を描いた絵。
半世紀を炭鉱で働いたという山本作兵衛-1892~1984-氏が、その記憶をたよりに描きつづけた墨画や水彩画が1000点以上、絵の余白にはどれも細かな筆跡で解説文が添えられているという。
その作品の内584点が田川市石炭歴史博物館などに寄贈され、福岡県有形民俗文化財に指定されているのだが、このたび日本初の「世界記憶遺産」に登録されたというのだ。

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ならば、世界の記憶遺産とは、他にどんなものが居並んでいるか。
英の「マグナカルタ」、仏の「人権宣言」、「グーテンベルクの聖書」、「ニューベルンゲンの歌」、ベートーヴェンの「交響曲第9番自筆譜」、イプセンの「人形の家筆写本」、「アンネの家」などなど。
その他、「英国カリブ領の奴隷達の登録簿(1817-1834)」や「ベルゼンの癩病記録文書」、韓国の「訓民正音解例本」、カンボジアの「ツゥールスレン虐殺収容所博物館」などまでも網羅されている。

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写真は「田川市ホームページ」より拝借転載

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-165

6月23日、同前。
空模様のやうに私の心も暗い、降つたり照つたり私の心も。‥
ふりかへらない私であつたが、いつとなくふりかへるやうになつた、私の過去はただ過失の堆積、随つて、悔の連続脱多、同一の過失、同一の悔をくりかへし、くりかへしたに過ぎないではないか、ああ。
払ふべきものは払つた、といつてはいひすぎる、ほがらかになつたやうである。
多少、ほがらかになつたやうである。

※この日句作なし、表題句は6月19日所収

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Photo/妙青禅寺の山門と石段- 11.04.30撮影-


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