2011年9月8日木曜日

日照雨ぬれてあんたのところまで

Dc09122699

―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-242

9月8日、酔中、炊いたり煮たり、飲んだり食べたりして、それを片付けて、そのままごろ寝したと見える、毛布一枚にすべてを任しきつた自分を見出した。
雨がをりをりふるけれど、何となくほほゑまれる日だ。 -略-
其中庵へ行つた、屋根の葺替中だつた、見よ、其中庵はもう出来てゐるのだ、夏草も刈つてあつた、竹、黄橙、枇杷、蜜柑、柿、茶の木などが茂りふかく雨にしづもり立つてゐた。‥
米はKさんが、塩はIさんがあげます、不自由はさせませんよといつて下さる、さて酒は。‥
百舌鳥の最初の声をきいた、まだ秋のさけびにはなつていない。 -略-
けさ撒いてゆふべ芽をふく野菜もある、昨日撒いたのに明日でなければ芽ふかないのもあるといふ、しよつちゆう、畑をのぞいて土をいぢつて、もう生えた、まだ生えないとうれしがつてゐる、私までうれしくなる。 -略-
いろんな虫がくる、今夜はこほろぎまでがやつてきて、にぎやかなことだつた。

※表題句の外、3句を記す


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Photo/北の旅-2000㎞から―富良野、フアーム富田にて-’11.07.25

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