2010年12月2日木曜日

逢ふまへの坊主頭としておく

Dc09122662

―表象の森― なぜだか‥?
またまた月遅れの購入本などの紹介、とりあえず10月分。
この月はなぜだか仏教及び宗教系がきわだって多くなった。

―10月の購入本―
・吉田武「オイラーの贈物」東海大学出版会
代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、それを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環=オイラーの公式。本書はこの公式の理解を目標に、数学の基礎を徹底的に解説する。

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・末木文美士「仏典を読む-死からはじまる仏教史」新潮社
仏教のような宗教では、思想と言いつつも下部構造と深く関わっている。仏典のテキストに即しながら、仏教思想のダイナミズムを時代の変遷とともに明らかにしていく2部13章。

・井上順孝「新宗教の解読」ちくま学芸文庫
新宗教はなぜ生まれ、どのような道をたどってきたのか‥。天理教、創価学会から幸福の科学、オウム真理教に至るまで、時代や社会を反映する<近代日本に出現した新しい宗教システム>としての新宗教を読み解く。

・佐藤任「密教の神々―その文化史的考察」平凡社ライブラリー
聖天さん・馬頭観音・不動明王など、多くの日本人に親しまれてきた多彩な密教の神々を、インドの古代文化に遡って、文化的、歴史的意味を解き明かす。

・松原秀一「異教としてのキリスト教」平凡社ライブラリー
東方の一民族の一小集団の信仰であったキリスト教、異教として新しい世界に入ったこの宗教が、その地の要素をとりこみ、出自の母斑を脱色しながら、少しずつ変容していったありさまをまざまざと映し出す。

・岡谷公二「原始の神社を求めて-日本・琉球・済州島」平凡新書
御嶽、天道山、モイドン、神山、そして堂‥。沖縄にはじまり、済州島にたどりついた、森だけの聖地を求めての長い遍歴の旅。

・武澤秀一「神社霊場 ルーツをめぐる」光文社新書
著者は建築家、日本の神々を訪ね歩き、その絢爛な社殿や伽藍をその職業ならではの知見で分析し、神社・霊場をめぐる旅へと誘う。

・佐々井秋嶺「必生 闘う仏教」集英社新書
煩悩なくして生命なし、必生、この大欲こそが大楽金剛、煩悩は生きる力。流浪の果てにインドへ辿り着いてより40年、現在はインド仏教徒の指導者として活躍する破格の僧侶が、その半生と菩薩道を語る。

・服部正明/上山春平「認識と超越「唯識」-仏教の思想-4-」角川文庫
中観思想とともに仏教思想の最高の理論的達成とされる「唯識」は、日本仏教の出発点であり、またヨーガの実践と深い関わりをもつが、その唯識思想の本質を浮き彫りにする。

・田村芳明/梅原猛「絶対の真理「天台」-仏教の思想-5-」角川文庫
中国仏教哲学の頂点を示す天台教学、「法華経」をもとに天台智顗によって確立され、日本文化の母胎ともなった思想体系を読み解く。

・大畑裕史「太極拳四十八式 DVD付」愛隆堂
74年生まれの著者は、北京体育大学に留学、97年武術太極拳技術等級国家1級取得、98年同大学武術学部卒業して帰国。現在、埼玉県を中心に関東各地で指導を行っている。

―図書館からの借本―
・池上裕子「織豊政権と江戸幕府 日本の歴史-15」講談社
信長の天下布武から、秀吉の検地や刀狩り、そして無謀な朝鮮出兵、さらには家康の身分固定支配などで、民衆はどう生き始めたか。中世から近世への激動を経て、保たれ続けた町村の自治とはどんなものだったか。

・佐黨哲郎「大アジア思想活劇」サンガ
教談師野口復堂、神智学協会オルコット大佐、スリランカ人仏教徒ダルマパーラ、そして田中智学などなど、19世紀から20世紀、明治から昭和を貫く近代仏教の使徒たちが、アジアを股にかけ疾駆する近代裏面史としての仏教絵巻。

・久留島典子「一揆と戦国大名 日本の歴史-13」講談社
応仁・文明の乱を機に、未曾有の地殻変動を経験する中世社会。大名・領主から百姓・町人まで広汎な人々が、支配のため、抵抗のため、自治のため、一揆を結び、近世の夜明け前=新時代に向かって統合の運動を生きる。

―山頭火の一句― 行乞記再び -119
4月29日、晴、後藤寺町行乞、伊田、筑後屋

すつかり晴れた、誰もが喜んでゐる、世間師は勿論、道端の樹までがうれしさうにそよいでゐる。
やつぱり行乞したくない、したくないけれどしなければならない、やつと食べるだけ泊るだけいただく。-略-
歯が痛む、春愁とでもいふのか、近くまた二本ぬけるだらう。

後藤寺町の丸山公園はよろしい、葉桜がよろしい、それにしても次良さんをおもひださずにはゐられない、一昨年はあんなに楽しく語りあつたのに、今は東西山河をへだてて、音信不通に近い。
白髪を剃り落してさつぱりした。-略-

香春岳にはいつも心ひかれる、一の岳、二の岳、三の岳、それがくつきりと特殊なる色彩と形態とを持つて峙えてゐる、よい山である、忘れられない山である。-略-

※表題句の外、句作なし。

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Photo/後藤寺町にある丸山公園の桜

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Photo/十二祖神社の大鳥居、同公園内


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