2011年7月16日土曜日

朝の土から拾ふ

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―四方のたより― ウナギの回遊生態

土用の丑も近い。
子どもの頃、親父と一緒に田舎-徳島南部-へ帰ると、必ずといっていいほど、水田近くの小川やあるいは海沿いの川渕へとウナギ取りに行ったものだった。そんなわけで、ウナギは我が家の食習慣にはずいぶんと馴染みも深く、家族内の誰もが好物としてきた。
それほど親しんできたウナギなのに、先日-7/11-の報道で話題となった、グアム島近くの海域で採取されたウナギの卵を見るまで、その生態、3000㎞にも及ぶ大回遊をしているということなど、恥ずかしながらまったく知らず、驚き入った次第だ。

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ウナギの生態の不思議に頭を悩まされたギリシャの哲人アリストテレスは、泥中発生説を唱えたそうだが、そのアリストテレス以来の謎が、二千数百年を経た今日までずっと謎のままだったというのにも驚き入ったが、その生態は下の写真にみられるように変態を重ねつつ壮大な回遊をしているという事実、まこと生物のダイナミズムというものにいまさらながら圧倒されるばかり。

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―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-188

7月16日、曇、日和癖とでもいふのか、午前中は雨模様、午後になると晴、頭痛がして困る。―
朝の散歩はよい、ことに朝の山路を逍遙する時は一切を忘れて一切に合してゐる気分になる、歯朶がうつくしい、池水がおだやかだ、頬白の声がすがすがしい、物みなよろしとはこの事だ。
そこにもここにも句が落ちてゐる、かくべつ拾ひたいとも思はないが、その二つ三つ。
晴れた、晴れた、お天気、お天気、みんなよろこぶ、私も働かう、うんと働かう、ほんとうに遊びすぎた。
何だかノスタルヂヤにでもかかつたやうだ、これも造庵や生活やすべてがチグハグになつてゐるせいかも知れない。

※表題句の外、8句を記す

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Photo/三恵寺境内の石仏たち-’11.04.30


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