
―四方のたより― ご帰還
先週来トラブルのPCが修理を終え、ご帰還あそばした。
修理報告書に曰く、マザーボードとパワーサプライを交換した、と。
今夏の暑熱地獄ではかなくも炎上?したものとみえる。
保証期間を2年としていたからよかったものの、でなければ2、3万円を請求される憂き目をみたことだろう。
使用者としては、マシンのデリカシーというものにもう少し気を配れないといけないのだが、なかなか‥。
―表象の森― <日暦詩句>-43
「大儀」 山之口獏
躓いたら転んでゐたいのである
する話も咽喉の都合で話してゐたいのである
また、
久し振りの友人でも短か振りの友人でも誰とでも
逢へば直ぐに、
さよならを先に言ふてゐたいのである
すべて、
おもふだけですませて、頭からふとんを被つて沈殿してゐたいのである
言ひかへると、
空でも被つて、側には海でもひろげて置いて、人生か何かを尻に敷いて、膝頭を抱いて
その上に顎をのせて背中をまるめてゐたいのである。
-「山之口獏詩文集」講談社文芸文庫より
―山頭火の一句― 行乞記再び-昭和7年-230
8月27日、樹明居。
晴、残暑のきびしさ、退去のみじめさ。
百日の滞在が倦怠となつただけだ、生きることのむつかしさを今更のやうに教へられただけだ。、世間といふものがどんなに意地悪いかを如実に見せつけられただけだつた、とにかく、事ここに到つては万事休す、去る外ない。
けふはおわかれのへちまがぶらり –留別-
これは無論、私の作、次の句は玉泉老人から、
道芝もうなだれてゐる今朝の露
正さん-宿の次男坊-がいろいろと心配してくれる-彼も酒好きの酒飲みだから-、私の立場なり心持なりが多少解るのだ、荷造りして駅まで持つて来てくれた、50銭玉一つを煙草代として無理に握らせる、私としても川棚で好意を持つたのは彼と真道さんだけ。
午後2時47分、川棚温泉よ、左様なら!
川棚温泉のよいところも、わるいところも味はつた、川棚の人間が「狡猾な田舎者」であることも知つた。
山もよい、温泉もわるくないけれど、人間がいけない!
立つ鳥は跡を濁さないといふ、来た時よりも去る時がむつかしい-生れるよりも死ぬる方がむつかしいやうに-、幸にして、私は跡を濁さなかつたつもりだ、むしろ、来た時の濁りを澄ませて去つたやうだ。
T惣代を通して、地代として、金壱円だけ妙青寺へ寄附した-賃貸借地料としてはお互いに困るから-。
ふるさとちかい空から煤ふる –再録-
この土のすゞしい風にうつりきて –小郡-
小郡へ着いたのが7時前、樹明居へは遠慮して安宿に泊る、呂竹さんに頼んで樹明兄に私の来訪を知らせて貰ふ、樹明兄さつそく来て下さる、いつしよに冬村居の青年会へ行く、雑談しばらく、それからとうとう樹明居の厄介になつた。

Photo/北の旅-2000㎞から―小樽のガラス市で-’11.07.29

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